こめには、ちょっとしたマニュアルがある。
「飼い主にかまってもらう方法」のマニュアル。
かまって欲しい時には、必ずかまってもらいたい相手に「背中を向けて」すわる。
こめの背中には、「かまっておくれ」と書いてある。
飼主には、そう見える。
私たちは、これを「かまってビーム」と呼ぶ。
こめがうちへやって来たのは、まだ母親と離してはいけない生後間もなくの頃。
赤ちゃん猫が数匹入った段ボール箱を持ったおじさんだかおじいさんだかが、公園に来たらしい。
その段ボールの中の1匹がこめだった。
生後1か月未満の子猫は初めてだった。
その他にも、色々と手がかかった。
2度目の入院では意識不明の重体で、処置中心肺停止になった。
先生が何度も蘇生を試み、戻ってきたかと思ったらまた心肺停止、その繰り返しだったと。
それでも、先生が何度も蘇生を試みて下さり、何度目かで戻ってきてくれた大切な大切な命。
退院してから、何の後遺症もなく元気に成長してくれた。
でも、そんな経緯からこめは、どんな時でも気にかけられ大切に大切に育てられてきた。
おちびですらこめには鼻の下をのばして、どんな時でも何でも譲ってやるほどの甘やかしぶり。
去勢してないオス猫はキツイとか聞くけど、こめは去勢手術が受けられないため去勢してない。
すごい甘えん坊で、毎日何度もだっこしてもらいたがる。
こめが私たちの目に入る場所へ移動し背中を向けて座ると、「かまってビーム」が自然と見えてきて、こめを抱き上げる。
すぐにかまえない時は、私たちの目線を確認しながらちゃっかりタイミングを見計らっている。
おそらく今までの経験から、こめは「こうすればかまってもらえる」と学んだのだと思う。
実際には、私たち飼主にしか見えない「かまってビーム」だとは思いもしない。
そんなこめが、この常套手段をくぅに使い始めた。
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くぅにかまってもらおうと一生懸命ビームを出すも、もちろんくぅに見えるはずはなく(笑)
その姿が滑稽でかわいい。