とうとう、おちびが高窓に行けるようになってしまった。
今までは、くろこだけが高窓に行ける状態だったので、いざとなれば高窓に逃げられるので、扉を開けて往き来させていた。
くろこも、時々床の間から出てきたりして、
途中まではいい感じだった。
ところが。
少し前、床の間から、くろこの悲鳴が聞こえてきた。
慌てて見に行くと、おちびが高窓にいて、くろこと向き合っていた。
これまでも、おちびは高窓に行こうと、試行錯誤していた。
ブルブルマシン経由だということまではわかったものの、根っからの家猫であるおちびには、野良猫のようなわけにはいかず、そこから動けずにいた。
まさかこんなに早く高窓に辿り着くとは、思ってもいなかった。
私は、男のプライドを甘く見過ぎていた。
くろこと向き合うおちびの尻尾は、タヌキのようになっていて、くろこは怯えていた。
ひっかかれながらも、なんとか高窓からおちびを降ろした。
それ以来、くろこは怖がって降りようとしない。
扉を開けっ放しにすると、嫌がる。
結局、くろこは床の間に閉じこもってる状態となり、隔離生活のようになってしまっている。
せっかく保護したというのに、かえってくろこに窮屈で怯えさせた生活をさせてしまっている。
くろこにとって何が幸せなのか。。。
短命でも自由な、野良猫のままの生活?
野良猫保護なんて、人間のエゴに過ぎないのではないのか⁉️
いやいや、幸い寄生虫も病気もなく保護できたのに、また野良生活に戻すのか⁉️
いつかは慣れてくれる、それまでの辛抱。
色んな思いがぐるぐる。
何がいいのか、どうしてやるのが一番良いのか、
わからない。